蛍光箔の魅力と注意点 ~目を引く鮮やかさ、退色の問題~
蛍光箔は、デザインにおいて魅力的で効果的な表面加工の一つです。
このブログでは、蛍光箔について紹介し、また退色の問題について実験を行い検証していきます。
蛍光箔とは?
今回ご紹介する蛍光箔は村田金箔の【IRO-DARUMA】シリーズになります。
蛍光箔は、その名の通り蛍光色の箔材でパッケージやリーフレット、書籍などで使用可能です。
一般的なメタリック系の金箔、銀箔等とは異なり、蛍光箔はメタリック感のない顔料箔になります。
◇蛍光箔の魅力◇
・注目度を高める
蛍光色はその鮮やかな色彩で視線を引きつけます。
商品やデザインの中で蛍光色を使うことで、人々の視線を引きつけ、注目度を高める効果が期待できます。
・記憶に残る
蛍光色は視覚的な印象を強調するので記憶に残りやすくなります。
特に競争の激しい市場で、ブランドや製品の識別を容易にし、印象を深化させるのに役立ちます。
・クリエイティブ性
蛍光色はデザイナーにとって、デザインの自由度を広げクリエイティブ性を高めるのに適しています。
明るく鮮やかな色彩を活かして、商品やデザインに独自性のあるデザインを表現できます。
◇蛍光箔のカラーバリエーション◇
村田金箔の蛍光箔には次の3色のカラーバリエーションがあります。
左からのショッキングピンク、ショッキングイエロー、ショッキンググリーン
画像では分かりづらいかもしれませんがどの蛍光箔も非常に明るく鮮やかな色味になっています。
この蛍光箔に関しては下地の色が影響を受けるので白を下地にするのがおすすめです。
蛍光箔の退色という問題
蛍光箔は明るく鮮やかな色味で人の視線を惹きつける一方で退色(たいしょく)という問題があります。
印刷物に携わる方なら退色はご存知の方が多いと思います。
◇退色とは?◇
色が時間と共に光、熱、湿度、など様々な要因によって徐々に変色し、本来の色や特性を失う現象のことです。
(※このブログでは光、太陽光(紫外線)での退色について記載しています。)
◇退色しやすい色は?◇
また色によって退色のスピードが異なりますのでこれも注意が必要です。
プロセスカラーの場合、Y(イエロー)→M(マゼンダ)→C(シアン)→K(スミ)の順で退色しやすくなります。
詳しくはDICグラフィックス株式会社様のページでご確認ください。
https://www.dic-graphics.co.jp/navi/color/fading.html
蛍光箔はどのくらい退色するのか
蛍光箔で一番の問題となる退色の程度を確認するため耐光試験を行いました。
今回はフェードメーター(耐光試験機)とLEDライト(簡易試験)を使用して2パターンの光にて試してみました。
◇フェードメーターでの耐光試験◇
弊社ではフェードメーターを所有しています。
こちらの機械を使用して耐光試験をおこないました。
20時間、40時間にて試験を行っています。
20時間の場合、春、秋の太陽光(自然曝光)1か月分想定
40時間の場合、春、秋の太陽光(自然曝光)2か月分想定 です。
20時間でもかなり退色しています。
屋外や紫外線があたる場所で陳列される場合、蛍光箔の使用はなかなか厳しい印象です。
◇LEDライトによる簡易試験◇
現在、店頭の照明はLEDライトが多いかと思います。
LEDライトと退色に関するブログは下記よりご覧ください。
LEDはインキの退色を早める!?
LEDライトでの簡易試験では光の強さは約2000luxでおこないました。
2か月間 LEDを照射し続けた結果、
ぱっと見は、そこまで退色している気配はないですが元の蛍光箔とくらべてみると若干、退色しています。
LEDライトの場合はLEDライトと印刷物の距離が近ければ近いほど、
光量が強くなり、退色するスピードもはやくなります。
ドラッグストアでは棚一段毎にLEDライトが設置されているところもあるので
店舗にもよりますがもっと早く退色する可能性がありますね。
まとめ
・蛍光箔は明るく鮮やかな色味で注目度を高め、記憶に残りやすいパッケージができる。
・紫外線にあたる環境で置かれる可能性がある製品には適していない。
・LEDライトでも褪色はする。ライトが近くなればなるほど退色は早い。
限定品やec専用パッケージなどでしたら一度蛍光箔を使ってみるのもおもしろいかもしれませんね!
印刷技術, 紙箱・台紙