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2025.03.19

正面が膨らんだ、かまぼこ型ケース

 

設計にきてちょうど1年が経ちました。早いものです。Hです。

日々、いろいろな方向からのご要望をいただき、鍛えられています。

今回、その中で変形箱の設計を担当しましたので、ご紹介したいと思います。

 

機械製函を前提とした、正面が膨らんだ曲面のかまぼこ型クリアケースのご依頼です。

天面=蓋を丸く曲げた形状であれば、さほど珍しくはないと思います。

が、正面を膨らませて機械貼りとなると、簡単そうにみえるかもしれませんが、実は難しいです。

 

仕上がりはこうなりました。

 

 

クリアだと分かりづらいと思いますので、紙でカットしました。

 

 

蓋を開けるとこんな感じです。

 

なぜ機械貼りが難しいかを簡単に説明します。

基本的に箱の対角線にある2辺で折ってペタンコにして糊代を貼り合わせるためです。

一般的な箱では、

 

展開を対角線上の「あ」と「い」で折って

ペタンコにした状態で真ん中にくる糊代を貼り合わせています。

当然といえば当然ですが、「a+x」=「b+y」なのでペタンコにできます。

 

これが今回の正面が膨らんだ状態だと、

「x」が曲線なので「y」より長くなり、「あ」と「い」で折ってもペタンコにできません。貼れなくなります。

そこで側面の「a」と「b」をそれぞれ「a-1」「a-2」と「b-1」「b-2」に分け、その境界線「あ-2」と「い-2」で折ります。

そうするとペタンコにでき、貼ることが可能になりました。

 

ただし「a」「b」の長さが重要で、短い場合は設計不可となります。

また他にもいろいろと諸条件がありますので、ご興味がございましたらお気軽に弊社営業へお問い合わせください。

 

ではまた。