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2024年

2024.12.12

地に足をつけて!

 

いきなり私事で恐縮ですが、本年11月にて60歳となり、定年を迎えました。

 

青年時に想像していた「老い」とは違い、体はいたって元気ですが、自身の中身の無さには驚いております。貫禄ゼロ、成長出来ておりません。

 

そんな私でも再雇用となりました。会社には感謝しております。

 

これからも、地に足をつけて仕事に取り組みたいと思います。

 

地に足をつけて?

 

そう、クリアケースでも「気にしている」のです。

 

PETよりもPPに多いのですが、ケースの底側にて経時変化による膨らみが大きくなり、足の長さを超えてしまう場合があるのです。

 

 

中身の商品の重さ、罫線の折れ具合、箱の奥行き等の条件で変わるのですが、不安定な状態になり倒れそうです。

 

設計では、足の長さを2.5㎜~3㎜に設定する事が多く、それ以上長くすると足の折れ・曲がり等が(組立て時も含め)発生しやすくなり、ほとんど実績がありません。

 

しかしながら幸運にも、現在までにこの種のクレームを受けた記憶がなく、先にも書いたように「気にしている」で留まっています。

 

おそらく、対症療法としては足を伸ばすという事になると思います。

 

とにかく、これからも地に足をつけて、無事に立ち続けて欲しいものです。←もちろんクリアケースの事です!

 

 

 

設計担当N


2024.11.14

DXFファイルを読んでみよう🔍

 

設計半年ちょっとのHです。

今回はちょっと趣向を変えまして、CADでよく使用される「DXFファイル」についてお話ししようと思います。

 

DXF=「Drawing Interchange Format」(訳:図面交換フォーマット)

 

CADソフトで作成した2次元/3次元の図面データを保存するファイル形式のひとつです。

Autodesk社が開発。完全無料、かつ非常に互換性が高いため、設計の世界では広く一般的に使用されています。

異なるCADソフト、異なるバージョンであっても、DXFで保存していれば大抵は問題なくファイルを開いて使用できます。

 

またこのDXFファイル、基本的にテキスト形式(バイナリ形式の場合もあり)なのでwordなどで開いて中身が確認・書き換えができるのです。

今回、いつもはこんなことしませんが、DXFデータを読み解いてみようと思います。

 

例えば以下のような簡単な設計図面、

これをDXFで書き出してwordで開くと、

この様にテキストで中身が見れます。

上の画像はファイルの最初の部分のみですが、先ほどの単純な図面でもA4×569ページ2万単語・166Kバイトのボリューム・・・。実はこれは不要なレイヤーや必要のない3次元要素を含めた状態のためです。

いつもの手順でレイヤーの整理などを行ってから書き出せば、

6ページ・2Kバイトに圧縮されました。

 

ファイルの序盤は無視して、この中から先ほどの図面の左側の「円」を構成している部分を探してみます。「circle」と検索をするとすぐ見つかります。

ありました。

CIRCLE」に続く部分が「円」の仕様です。

 

ちなみに例題の図面は、寸法などを補足するとこのようになります。

(今回分かり易くするため、図面の起点=図形の左下を座標(0,0)に設定しました)

これを踏まえて、テキストの中身を解読。

DXF2行でひとつのデータを表わし、はじめの「スペース + 数字」の行がグループコードでそれぞれに意味があり、その次の行が具体的な値です。

内容が図面と一致していることが分かります。シンプルです。

(「62」=色番号が「1」=赤なのは、DXFを書き出した際に切り罫が緑→赤に変更されるためです)

 

ちなみに四角・三角などは直線の集合で構成されているため、「line」で検索すると1辺ごとではありますが構成要素を見つけることは可能です。

上記以外の各グループコードの意味は、Autodesk社のHPなどで調べることができます。

 

今回はここまで。

みなさん、デザイン先行でデータを設計にご支給いただく場合は、AIデータなどではなくDXFファイルに変換してからくださいね。今後ともよろしくお願いいたします。


2024.10.22

基本は大事

 

ワンタッチ箱大スキー、紙箱設計担当Mです。

前回に引き続きワンタッチ箱の話です。

 

個人的な話ですが、わたしが紙箱の設計に配属されて最初に教えられたのがワンタッチ箱でした。

 

 

当時の上司は既に退社しているので、なぜ最初にワンタッチ箱だったのかはわかりませんが、

おそらく当時社内で一番多く作成していた形だったからと思います。

作図上、底の部分を削除して上半分をミラーコピーすればサイド貼りに流用できるのも理由の一つでしょう。

 

 

 

当時は得意先の方も設計にこだわりの強い人が多く、細部まで指定した図面を正確に再現する仕事が主流でした。

こだわりが強すぎて寸法を記入するとごちゃごちゃして見づらいと言われたのもいい思い出です。

 

 

逆にデザイン面では今思うと制約が少なく、基本的に第一面を正面にするのがほとんどでした。

 

 

医薬品が主流だったので機能性や強度が優先されていました。

 

化粧品の箱も手掛けるようになり、中身とワンタッチ箱との指定以外は特になく、

これまでと同様に作成すると、正面から見たとき紙の断面が見えるとNGになりました。

 

 

わたしの勉強不足でしたが、確かに店頭に並ぶような商品は、

紙の断面が見えないよう第三面を正面にするのが多いようです。

 

後日、中箱の仕事が来た時に同様に第三面を正面に作成したら、

今度は製函部門から第一面を正面にしてもらえないかと注文を受けました。

 

 

個箱など小さいものなら問題ないのですが、正面幅が一定の大きさを超えると

機械を通すときにフタの部分がベルトに乗らず真っすぐ通りにくく、貼り不良の原因になるとのことです。

基本形となる物には相応の理由があるということでした。


2024.09.19

疑似球体!

 

皆様こんにちは

設計部Iです。

 

本日はとあるyoutubeで拝見した形状について、

 

動画を見て想像するところによって

形状組み上げるのが可能かどうかについて試してみました。

 

私の完全オリジナル考案ではない為、名称を付すのが躊躇われるところでは

ありますが、もし私が名付けるとしたら「疑似球体」とでもするかと思います。

 

それでは、

 

 

展開しますと

 

このようになっています。

 

形状の肝になる部分としましては

全ての面が同寸であることと、上部面、下部面ともに

三角のミシン罫を4箇所配置し面同士の近接を促す箇所かと思います。

 

確か経済学用語で、パレートの法則というものがあり、

全体を100としたとき、重要なことはその内20にとどまるといった

ことを提唱している説であるようですが、私も設計をする際に全体を見回すだけでなく

2割にあたる部分を俯瞰し特に注目するよう心がけています。

今回の疑似球体に関して言えば、肝として上記させていただいたところですね。

 

しかしながら最近では重要部が2割にだけとどまるわけではないといった説もあるため、

そちらを考慮しつつ、「神は細部に宿る」とのことを良く良く肝に銘じるようにも

致しております。

こちらの言葉は近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエ氏の

名言だそうです。

 

かなり前ですが、美の巨人たちという番組で

上のファンズワース邸が取り上げられていまして

「なんてモダンでおしゃれな家なんだ」と驚いたのを覚えています。

 

箱の設計では、ある程度形状の縛りはございますので

全てを取り入れるのは難しいところですが、上記のようなインスピレーションや驚きを受け

業務に生かせることができる日を目指しています。

 

皆様、「こんなの出来るかな?」を是非、私ども大光印刷にお声掛けくださいませ。

 

「神」は宿らないかもしれませんが、「紙」に思いを宿らせる準備をして

皆様のご要望をお待ちしております。

 

それでは!

 

 


2024.08.23

ワンタッチケースにおける巾と奥行の考察

 

 

こんにちは設計のKです。

今年の夏も暑いですね。来週あたりからようやく気温が下がって一服しそうです。

 

今回はワンタッチケースの正面巾と奥行との関係について考察してみます。

設計していると作業性からワンタッチ希望とされていても現実的でないサイズ感で入稿することがあります。

一般的には正面巾に対して奥行はその1/3以上必要と言われますが箱にして比較したことがないので早速やってみよう~

 

正面巾150㎜に対して奥行それぞれ1/350㎜)、1/437.5㎜)、1/530㎜)、1/625㎜)

のダミーを切り出して糊付けします。

結論から言うと全て箱にはなりましたがさすがに1/6になると折りたたんだ状態から立ち上がりにくいので引っ掛かっただけのようです。底から指で押すと簡単に指が入ってしまいます。

箱体積分の重みがある内容物だと自重で底は平らになりますが複数枚のシート状の内容物みたいな重さの無い物だとロックが掛からないことになってしまいます。

その際はワンタッチを諦めてロック付サイド貼りか三俣キーロックを選択せざるを得ない気がします。

ワンタッチ底は短所もあるので気を付けてくださいね

 

それではまた!実験コーナーでお会いしましょう~

 

 


2024.07.18

あれからどうなった?

 

 

毎度ブログのネタ集めに苦労しています。

 

今回も過去のネタと重ならないようにチェックしていたのですが、このタイミングで担当が回って来たことが偶然とは思えず、また触れる事にしました。

 

3年前(2021714日のブログ)、2度目の東京オリンピック開催で高揚した私は、ささやかなオブジェを作成して応援しました。

 

しかし、コロナ禍の中で強行した大会であったという記憶が大きく、感動の余韻に浸(ひた)れるものではありませんでした。

 

ところが、またオリンピック。フランス・パリ大会直前での私の担当に当然の義務と考え、

オブジェを作成してしまいました。

松明(たいまつ)のつもりです。

 

とにかく、がんばれニッポン!

 

 

そしてもう一つ、気になるネタがありました。

 

1年前(2023522日のブログ)、話題になり始めた対話型AIChatGPT)を使い、主たる業務のクリアケース設計に関して色々聞きました。

 

果たして、今でも同じ回答なのか?

 

当時の質問の中で、一つだけもう一度聞いてみました。

 

Q化粧品用のクリアケースは今後どうなりますか。

 

A:化粧品用のクリアケースの今後について予想するには、以下のトレンドや消費者のニー

 ズを考慮することが重要です。

 

 トレンドと予想

 

1.持続可能な素材の利用:

・環境意識が高まる中で、再生プラスチックや生分解性素材を使用したクリケースの需要が増えるでしょう。

・サステナブルな素材を使用した製品が市場に増えると考えられます。

2.スマート収納ソリューション:

・テクノロジーの進化に伴い、スマート収納ソリューションが登場するかもしれません。例えば、デジタルラベルやセンサーを搭載し、化粧品の使用状況を管理するケースなどが考えられます。

3.カスタマイズオプションの拡大:

・消費者の個々のニーズに応じたカスタマイズ可能なクリアケースが増えるでしょう。自分好みにアレンジできる仕切りやデザインのバリエーションが求められます。

4.デザインと美しさの追及:

・インテリアとしての美しさを追及した高級感のあるデザインが人気を集めるでしょう。デザイナーコラボや限定版のクリアケースも増えるかもしれません。

5.多機能化:

・一つのケースで複数の機能を持つ、例えばメイクボックス兼ライト付きミラーのような多機能なクリアケースが登場する可能性があります。

6.エコシステムの形成:

・一定のブランドやメーカーが提供する化粧品とクリアケースが連携するエコシステムが形成されるかもしれません。専用のアプリやウェブサービスを通じて、収納方法や新商品の提案が受けられるようになることが考えられます。

 

 消費者のニーズ

 

1.持続可能性:環境に配慮した製品への需要が増加しています。持続可能な素材を使用 

したクリアケースが求められます。

2.カスタマイズ性:個々のニーズに応じたカスタマイズオプションが重要です。仕切り

やサイズを自由に変更できるケースが人気です。

3.美的価値:美しく整頓された収納は、インテリアの一部としても評価されます。見た

目が美しいケースが好まれます。

4.利便性:使いやすさと収納力が重視されます。使いやすいデザインや多機能なケース

が求められます。

 

 これらのトレンドや消費者のニーズを踏まえると、化粧品用のクリアケースは今後も進

 化を続け、より多様な選択肢が市場に登場することが期待されます。

 

 

以上、回答をそのまま載せました。前回よりは長い文章ですが、個包装(単品)のケースとしての認識はあまり無いようです。聞き方が悪かったのか...。

 

興味のある方は、前回と比べてみて下さい。

 

 

 

設計担当N

 


2024.06.19

初心者マーク🔰

 

はじめまして!

設計初心者のHと申します。

今年3月より技術部の所属となりました。以前は営業部門におりましたので、正真正銘の初心者です。

なので当ブログでは、設計に対して新鮮な視点で疑問や体験談をお伝えできればと思っております。

よろしくお願いいたします。

 

というわけで、ひとまずこの怒涛の3ヶ月で作成した図面を見返してみました。

シンプルなサイド貼り/ワンタッチの箱は、最初の練習問題のみ。

変形、仕切一体、底上げ、看板付き、etc. etc.

応用に次ぐ応用で、都度世界が広がる感覚に喜びの毎日です。設計ってもっと窮屈な作業かと思っていました。

ただ、まだひとりじゃ何もできないんですけどね。

 

奇しくも先週末、次男(小2)の誕生日に自転車を購入し早速乗る練習をしました。

ひと漕ぎすらままならないのを、後ろから支えられて押されて、フラフラとちょっとずつ前進。

今の私とそっくりです。

早くひとり立ちして皆さんのお役に立てるよう、頑張ります!


2024.05.27

ノリノリ

 

 

春だというのに人生ローテンション、紙箱設計担当Mです。

よくノリが悪いと言われます。

 

突然ですが皆さんワンタッチ箱は好きですか?わたしは大好きです。

複雑な形状のものと違い設計が楽というのもありますが(笑)

組み立てやすさと強度を両立しやすいですし

製品を輸送時に四角だと多角形やピロー形よりも安定感があります。

 

最近は

 

 

もとい

 

 

このような形状で、との注文をちょくちょくいただきますが、

上記のワンタッチ箱と真逆の方向性で

店頭で目を引く以外のメリットを正直感じません。

(形もけっこうありふれたものになりつつありますが)

何かの陰謀では!?とさえ思えます。

 

そんなわたしの好きなワンタッチ箱ですが、

底部まで貼る都合上、他の形状よりも小さくできないという問題があります。

以前にも書きましたが組立寸法からある程度底面の各パーツの寸法が決まります。

 

 

仮にピンポイントで糊を噴射しても

 

 

貼るとはみ出してしまいます。

 

 

はみ出さないよう糊の量を控えると強度不足ではがれかねません。

またある程度の大きさがないと製函の機械に通すベルトに乗らないという問題もあります。

しかし技術は進化するものです。

昔は現場に小さすぎて無理と断られたものも

新しい機械を導入したら貼れるようになったこともあります。

これからも機会があれば挑戦していきたいと思います。

 

まぁその際に苦労するのは製函部門なのですが

 


2024.04.15

初案でOKいただけるなんて感激です!!

 

皆様こんにちは!設計部Iです。

 

少し前になりますが私が設計させていただきましたものについて初案でOKをいただき

そのまま丸々採用いただくといった設計冥利につきる案件がございましたので簡単にご紹介させていただきたいと思います。

 

 

 

こちらはゴム製のヘアブラシを中の仕切りで固定し差し入れるパッケージとなりますが

先方よりご要望いただいた点としては

 

・高級感

・透明感

・新たな形状であること

 

の3点をいただきました。

 

形状と構造については弊社にかなりの裁量をいただきましたので

中に入る商品が全体的に丸いフォルムをしていたところからパッケージについては角をメイン

とし透明感を出すために、よりシャープな形状に見えるよう心を配りました。

 

こちらにデザインが乗り店頭で実際に見かけたときには

いつにも増して感無量でございました。

 

オーソドックスな形状から、はみ出すものまで

是非、私どもにご依頼ください!!

 

 

 

 


2024.03.26

紙製ピローにおける奥行と巾の考察

 

こんにちは設計のKです。

ようやく長い冬が終わりあと数日で桜が見れそうです。待ち遠しいですね。

 

今回は最近多くなってきた紙製ピローケースの奥行(製品直径)と巾の関係について考察してみようと思います。

私は昔、紙製ピローは奥行に対して巾は3.5倍以上とるよう教わりました。

このところそれ以下のサイズ指定が多くかなりきつめが目立ちます。

試しに奥行×何倍からきつくなるか作ってみました。

奥行35㎜の瓶を入れる想定で3.5倍・3倍・2.5倍・2倍と4種比較します。

使用紙はカードBのNewDV-310g/㎡とします。

3.5倍なら問題なし。3倍は多少蓋する際紙が折れそうになっています。

上から見た写真

2.5倍では蓋をするとバリバリに折れ、2倍では蓋自体出来ない状況となりました。

結論として3倍程度迄が限度のようです。もちろん内容物や使用紙、追加の押罫等で状況は変わると思いますが樹脂と違って収縮しないのであまり無理できそうにありませんでした。

それではまた!