2024.02.19
右肩上がり
昨年、順調に進んでいたものの、最後に慌てて対応した物件がありました。
依頼は「吊り下げ穴の位置修正」でした。
商品は箱の右寄りの配置でしたが、当初より空(から)の容器で設計しており、形状OKの最後まで吊り下げ穴は仮のセンターのままでした。
しかしながら、ようやく中身の詰まった容器をセットして吊り下げた先方が、右側が下がった本体を見て連絡してきたのでした。
こちらも配慮が足りず申し訳なかったのですが...。
ところで、吊り下げ穴の位置調整は、皆さんどんな方法で行っているのでしょうか?
私はある時期、押しピンを使う方法を聞き、毎回では無いのですが取り入れています。
左右どちらにも傾かず、まっすぐ正面を向くというのが定石ですが、過去に言われた記憶に残る言葉があります。
まっすぐに作成したつもりの物が、ほんの少し左下がりだったらしく、それでも先方はOKを出してくれました。
「縁起良く右肩上がりで行きましょう」
ありがとうございました。
設計担当N
2024.01.31
『開けまして』おめでとうございます
『開けまして』おめでとうございます
一月も下旬になってなんですが、以前お参りした某神宮によりますと本来一月中は正月とのことです。
……稼げる口実があれば何でもいいと感じたわたしは少し穢れていたようです
というわけであらためまして『明けまして』おめでとうございます、紙箱設計担当Mです。
今年は昭和におきた、とある異物混入事件からちょうど40年だそうです。
当時わたしは学生でしたが、事件を受けて開封済みかを可視化した封緘テープの採用が増えたのをおぼえています。
毎度強引な枕ですが今回は容易に開けられないための仕組みの話です。
代表的な改ざん防止仕様の箱です。
一度組み上げると三角の部分がかみ合って底側から開けにくいようになっています。
また異物混入とは別に輸送時の振動等でフタが開かないようにとの注文もいただきます。
差し込み部を二重にすることで封緘テープを貼らなくてもとも開きにくくなっています。
家電製品のダンボール箱でおなじみの仕組みですね。
2023.12.22
通〇閣!!
皆様こんにちは!
今年も残すところあとわずかになりましたね。
私としては今年の業務を振り返った時に
一番印象に残る形状は何だったか?
と自問したところ、やはり部署からの要望があり
作成した【アイツ】が脳裏に浮かびました!
何のモチーフかと申しますと
大阪の心ともいうべき建造物【通〇閣】です!
こだわったポイントとしては、上部のくびれ部分に
シャープさを持たせることです!
なかなかに再現度高く仕上がったと思うのですが
皆様いかがでしょうか?
来年も皆様のご要望を元に「こんなのできるかな?」
に精一杯お応えすべく精進してまいりますので
どうぞ、今後とも宜しくお願い申し上げます。
皆様良いお年をお迎えください!!
設計部I
2023.11.21
ワンタッチ箱の底形状の考察
こんにちは設計のKです。
先週久しぶりに合羽橋道具屋街に浅草経由で行きましたが外国人旅行者で賑わっていました。もうマスクしている人もあまりいませんでしたしコロナ終わってよかったなとつくづく思います。
さて今回はワンタチ箱の底形状について考えてみたいと思います。
最近ふと思うのですが現在作成する紙製ワンタッチ底は全て角タイプですが20年前程迄ワンタッチと言えば丸タイプだったような気がします。
世の中の主流が変わったのでしょうか?
理由はどことなく分かる気がします。
丸タイプはロックするまで円弧部分同士が干渉して抵抗感がありますが角タイプは抵抗部分が斜めにカットされているのでいきなりロックして終わりです。
世の中せっかちになったということなんでしょう。ポクッと感触があって分かりやすいですしね。
でも最近、箱だけ先に組んで置いとくと外れてしまうと言われ丸型復活?となった例もでてきましたので適材適所なのでしょう。
<写真1-底角タイプと丸タイプの形状比較>
<写真2-角タイプの組み上げ底>
<写真3-丸タイプの組み上げ底>
ちなみにクリアケースで樹脂に弾力があるのでほとんどの場合、咬み合わせタイプになってしっかりかかりますが紙では弾力が無く潰れるだけなので採用出来ません。
<写真4-クリアケースワンタッチの組み上げ底>
急に冬の気配となってきましたので風邪にご注意ください。それではまた。
2023.09.15
ダブル(2枚)看板を克服せよ
今年1月のブログでも取り上げていましたが、
クリアケースの設計依頼の中でも看板(POP)を箱の上部、
前か後ろに付けて欲しいという要望がよくあります。
シングル(1枚)看板の時は特に問題は無いのですが、
ダブル(2枚)看板(折り返して2枚重ねにする)の場合、
その根元に注意する必要があります。
看板が箱の横幅そのままでは、根元にあるスリットロックとの干渉が強く、
窮屈であるという事です。
これを回避するために次のような処置をする事が多いです。紙箱では特にそうです。
しかしこの方法は、少しではあっても看板の左右を縮めてしまい、
デザイナーが嫌がる場合があります。
それを解消するために、
単純に考えればこのような作りにすればいいのだと思います。
さらに、もう一工夫という事で、このようにロックさせる部分を追加しました。
わかってもらえるでしょうか?
設計担当N
2023.08.29
形あるものはいつか壊れる
こんにちは、紙箱設計担当Mです。
先日唐突に設計に使用しているPCが故障しました…
幸い2つ搭載されているメモリーの片方の物理破損だったとのことで
PCの買い替えなどもなく現在無事に稼働してほっとしています。
こんなふうに突然破壊されるのは困りものですが、
最近は破壊のために仕込まれているものも存在します。
と、強引な前振りですが物騒なものではありません。
代表的なものは誰もが見たことのあるであろうこれの
ここです
今ではお菓子や医薬品など多くの箱に採用されています。
あくまで解体時に使われる裏方的存在からか、
多くの商品には上の画像のような注釈はなく
目立たないようデザインされているようで
気付かれずそのまま捨てられることも多いようです。
箱を捨てる前に小さくたためないか見てみませんか?
2023.07.18
強度と工夫の総合要素!!
皆様こんにちは!!
毎日暑い日が続きますが
いかがお過ごしでしょうか?
私ども設計部は本日も元気に業務に勤しんでおります。
本日は常日頃から私が気になっていましたPPの強度について
少しの実験とサンプルを作成しましたので簡単にご紹介いたしたいと思います。
まずは展開ですが
このような図面を描き
ハンガーのようにぶら下げた状態で
広くオフィスにあってそこそこ重たいものを
支えることができるかを確認してみました!!
とは言いましても早速の結論ですが
「ホイ!!」
ガムテープのなかでも余計に重たい部類でもあります
布テープ(新品)をぶら下げて確認してみましたが
意外や意外なんとか持ってくれました!!
①強度増しのため2重にしたこと。
②切れ込み各部に追加切罫を入れできる限りのドッキング要素をプラスしたこと。
③初回はハンガーの上部のような形としておりましたが耐えられぬとの状況を
ダミー確認し2重の穴へと変更したこと。
が全体のバランスも相まって功を奏したようです。
こちらはまだ少し粗削りな一品とはなりますが
ネーミングするとすればガムテープハンガーとでもなりますでしょうか・・・
実用のほどはさておき、オフィス雑品の一部として身の回りに置いておけるのは
見いだせるシーンがある方には重宝されることもあるのかもしれません。。。
さらに工夫を重ねることでの課題クリアは強度問題だけでなく
新形状の考案にも一役を買ってくれる側面もありそうです。
上記は一例となりますが、強度アップから連なる新形状のご提案まで
是非私ども大光印刷までお声がけくださいませ!!
設計部I
2023.06.26
ミシンとジッパーいろいろ
こんにちは設計のKです。
先日、破り易くて強度もあり破った痕も目立たないジッパーを求められ困ったので
今回はミシン目とジッパー数種を比べてみたいと思います。
上から
- 切2止1㎜のミシン目
- 切3止2㎜のミシン目
- 「へ」の字ジッパー
- 「Y」の字ジッパー
- 「S」の字ジッパー
特徴と破った痕の比較
- 細かい切れと止めが小さいのでスムーズに破れて痕もほとんど目立ちませんんが、破れやすいので衝撃には弱いです。直角に折ると止め部分が割れます。
- やや大振りの切と止めで真っすぐ力が入らないとすぐ層間剝離を起こします。又、痕はやや粗めです。
- よく使われるジッパーで刃は規制品があり安価に作れます。力の入れ方が受け側と反対に向くと繋がりません。またノコギリの刃のような痕になり目立ちます。
- 「へ」の字の改良型でどちらに力が向いても繋げるのでスムーズです。痕は「へ」の字より目立ちません。特注で作成するので部分的に用います。
- 見た目もエレガントで切れもスムーズですが刃が長いので強度がなく痕も波のように目立ってしまいます。私は過去2回しか作成したことがありません。
如何でしょう?なかなかスムーズで強度があり痕も滑らかなのは難しそうです。それぞれ特徴が違いますね。
チョコやアイスの紙箱では「へ」「Y」ジッパーと通常ミシンの3種が目的により適材適所で使われています。凄いって思いました。
それではまた。
2023.05.22
聞いてみました
2022年11月に公開された対話型AIである「ChatGPT」。
その性能から大きな話題(問題?)となっていますが、現時点(2023年4月)で、「化粧品用のクリアケース」に限定して聞いてみました。少し長いですがお付き合い下さい。
Q:化粧品用のクリアケースについて教えてください。
A:化粧品用のクリアケースは、化粧品やスキンケア用品などを収納するための透明なケースです。多くの場合、プラスチック製で、様々な形状やサイズがあります。これらのケースは、美容品を保管しやすく、取り出しやすくすることができます。
クリアケースには、化粧品を整理するために仕切りがついているものもあります。仕切りは、アイシャドウ、リップスティック、ブラシなどの化粧品を区分けして収納することができます。また、密閉性の高いものもあるため、旅行や外出先での持ち運びにも便利です。
Q:化粧品用のクリアケースに適した形状を教えてください。
A:化粧品用のクリアケースに適した形状は、以下のようなものが挙げられます。
- フラットな形状
化粧品用のクリアケースは、コンパクトに収納することができるよう、フラットな形状が適しています。厚みがあるものや、曲面などの凹凸があるものは、収納スペースを取りやすく、他の荷物との調和が取りづらいため、避けた方が良いでしょう。
- 大きさの調整がしやすい形状
化粧品用のクリアケースは、中身の種類や量に応じて大きさを調整できる形状が便利です。例えば、分割されたトレイや仕切りがあるもの、マジックテープで調整できるものなどがあります。
- 透明度の高い形状
化粧品用のクリアケースは、透明度が高いことで中身が見えやすく、取り出しやすくなります。また、透明度が高いことで、中身の汚れや変色を早めに発見することができます。
- 手持ちや肩掛けがしやすい形状
化粧品用のクリアケースは、持ち運びがしやすいよう、手持ちや肩掛けができる形状が適しています。例えば、ハンドルやショルダーストラップがついたもの、軽量で持ち運びしやすいものなどがあります。
Q:化粧品用のクリアケースに適した素材は何ですか。
A:化粧品用のクリアケースに適した素材は、一般的にプラスチック製のものがよく
使用されます。プラスチックは、透明度が高く、軽量で丈夫なため、化粧品を収納するには非常に適しています。また、プラスチック製品は、さまざまな形状やサイズに成形でき、多様なデザインを実現することができます。
化粧品用のクリアケースには、ポリカーボネート、アクリル、PETなど、様々な種類のプラスチックが使用されています。ポリカーボネートは耐衝撃性が高く、アクリルは美しい光沢感があり、PETは安価で環境にも優しいといった特徴があります。
ただし、プラスチックは熱に弱く、長時間の直射日光にさらされると変色する可能性があるため、保管方法には注意が必要です。また、環境に配慮する観点から、リサイクルマークのついた素材を選ぶことも重要です。
Q:化粧品用のクリアケースにおける環境問題について教えてください。
A:化粧品用のクリアケースも、一般のクリアケースと同様にプラスチック製が多いため、環境問題に関する懸念があります。
化粧品用のクリアケースは、主に旅行用や持ち運び用のものが多く、使い捨てではなく再利用することが前提となっています。しかし、プラスチックは再利用に限界があり、長時間使用することで劣化し、汚れがたまることがあります。そのため、廃棄する必要が生じます。
廃棄された化粧品用のクリアケースは、一般のプラスチック製品と同様に、石油資源を消費する製造工程や、廃棄後の処理において環境への負荷が大きくなることが懸念されます。
環境問題に配慮するためには、廃棄する前にできる限り長く使用することが重要です。また、プラスチック以外の素材を使用した化粧品用のクリアケースを選ぶことや、リサイクルマークのついたプラスチック製品を選び、使用後は適切に分別してリサイクルに回すことが大切です。さらに、最初から必要最低限のものを選び、無駄な消費を避けることも環境に配慮する方法の一つです。
Q:化粧品用のクリアケースに適した図面を見せて下さい。
A:申し訳ありませんが、私は画像を表示する機能を持っていません。しかし、オンラインで検索すると、化粧品用のクリアケースの多くが、長方形または正方形のフラットな形状で、中身を仕切るための仕切りがあるデザインが一般的です。また、取り外し可能なショルダーストラップを備えたものや、ハンドルがついたものもあります。適した図面を作成する場合は、使用する化粧品の種類や量、持ち運びの方法に合わせて設計することが重要です。
Q:化粧品用のクリアケースは今後どうなりますか。
A:化粧品用のクリアケースに関しては、環境問題の意識が高まる中、再利用可能で、環境に優しい素材を使用した製品が増える傾向にあります。また、持ち運びや収納のしやすさを重視する消費者のニーズに応えるため、機能的で使い勝手の良いデザインが求められています。
さらに、近年ではスマートフォンアプリと連動するスマート化粧品用のクリアケースが登場するなど、技術の進歩により新しいタイプの製品が開発されています。今後も、環境や消費者ニーズに応えたクリアケースの開発が進むと思われます。
以上。
?な部分もありますが、参考にはなると思います。これからも益々性能(精度)は上がるでしょう。しかし、やはり図面は無理ですよね...。
設計担当N
2023.03.20
尖った話
こんにちは、紙箱設計担当Mです。
先日とある箱を作成した際に、
見本で提出したダミーと本製品とでミシン目の破れ具合の感触が違うとの指摘を受けました。
CADでカットするのとトムソンで抜くのとの違いなのですが
この場を借りて説明させていただきます。
本製品のトムソンのほうですが
このような型を作成して抜きます。
一本の刃を曲げたりして組まれています。
ミシン目の部分は既製のミシン刃を使用するか、
ピッチが合わなければ刃を加工して作成します。
(濃い緑の部分にミシン刃が埋め込まれています。)
刃を紙に対し垂直に下ろすので均等な深さに切れます。
ダミーのほうですがCAD用のプロッターにはヘッド部にカッターをセットして出力します。
このようなものが取り付けられています。
刃の部分だけを外すとカッターナイフのような形状だとわかります。
刃を水平に動かしてカットしていきます。
刃先が斜めになっているので紙の裏側が表面に比べ切りようが浅くなってしまいます。
刃を浅めにセットすると裏側のほうがほとんど切れてない状態になり、
深めにセットすると表側のほうが切れすぎてミシン目でなく全部切れた状態になってしまいます。
ミシン目やジッパーの破れ具合など微妙な感触を確かめるには不向きとなります。
(箱の大きさや組み立てやすさの確認には問題ないですが)
理想を言えば毎回トムソンを作成して確認できればいいのですが
時間とコストを考えるとそうもいきません。
破れ具合の感触などが気になる場合は本製品の前に一度トムソンのテストをしていただけると幸いです。