2023.02.16
移転東京設計拠点紹介
皆様こんにちは
いつも当ブログをご覧いただきまして
有難うございます。
実は、題名にもあります通り
弊社東京オフィスが2/13日(月)より移転となりました。
それに伴って、東京設計拠点についても移設となりましたので
一部となりますが、簡単にご紹介させていただきます。
ジャン!!
こちらが移設後の全体となります。
手前にある見慣れぬマシンはプルーフジェット機となりまして
簡易的な校正を出力することのできるものです。
このように見ますと、出力とカットまでが行える部屋となりましたので
「ミニ工場」とも思える空間になったのではないかと思います。
こちら、新拠点から装いも新たに稼働してまいりますので
「こんなのできるかな?」を是非弊社までお声掛けください!!
設計部I
2023.01.23
看板付き箱の種類について
こんにちは設計のKです。
コロナが第5類になってインフルエンザと同じ扱いになるようですね。早くマスクはずした生活に戻りたいものです。
今回は看板付き箱の種類についてお話したいと思います。
通常のサイド貼りやワンタッチ箱の上部に吊り下げ穴用やデザイン面積を増やすために看板をつけたものが多く見られます。看板位置が前と後ろ、1枚看板か折り返して両面印刷部が見える2枚看板の4種に分けることが出来ます。
表(正面デザイン面)からみた写真
左から前看板1枚・前看板2枚・後看板1枚・後看板2枚の順
裏からみた写真
左から前看板1枚・前看板2枚・後看板1枚・後看板2枚の順
写真で見えるように後1枚は紙裏が見えて印刷ないので普通はあり得ないことが分かります。ただし両面印刷可能なカード紙で両面印刷した場合のみあり得ます。
組立箱の前に組み立て前の平らな状態(ブランクス)も置きました。
前と後看板で各面の位置が違います。これは以前のブログ「箱の正面について考えてみる」でお話した紙断面のきたない部分を正面に向けない工夫です。このため看板位置の違いで設計図面も変わるため前・後ろの指示は結構大事なことです。
今回はこんなところで終了します。
それでは皆様2023年もがんばってまいりましょう!!
2022.12.20
飾り罫
先日、クリアケースの設計・試作の中で、「ポップの一部分に飾り罫(弊社の呼び名)を入れて欲しい」との要望がありました。久し振りだったので過去の記憶が甦り、少しだけですがこの件について触れてみたいと思います。
クリアケースの設計に関わって(10年以上前)すぐの頃に、外形以外に付加価値がつけられないかと考え、デザイン的に飾り罫(=押し罫)を刻んでみたのです。決して弊社が元祖ではありませんが、素っ気ない無地のケースには有効であろうと考えたのです。
上の図面は当時のテスト用割付図面です。
実際に型で抜いたのですが、残念ながらこれらの現物は残っていません。
ただし、記憶の無いテスト品は見つける事は出来ました。
結果としては、飾り罫を際立たせようとして深く入れると(込み入った模様ほど)ボコボコに反ってしまい、製函には不向きなようでした。飾り罫が深いほど見栄えする感じだったので難しい問題でした。
また、テスト時にはいつも(縦の)折り(押し)罫を減らし、その部分の角に丸みを持たせようと試みていたようです。しかし、上記写真のケースは2本も折り罫を減らしており、組立ててみると反発が強く、まともに蓋を閉める事が出来ませんでした。情けない遺産です。
その後、印刷ありのケースにて部分的に飾り罫が採用される事が数回ありました。出来栄えに関しては、デザインとの絡み、罫の入り具合等で一喜一憂と言った所でした。
環境問題を考慮に入れると、(特に無地のケースの場合は)飾り罫が入っていると廃棄される確率が減るかもしれません。
それぞれ下手な写真で申し訳ありません。
今回はここまでです。ありがとうございました。
設計担当N
2022.11.28
ウナギの寝床
こんにちは、紙箱設計担当Mです。
今年も残すところあとひと月少々という時期にコロナの感染者数もじわじわ増えてきて、
また年末年始に合わせて爆発的に増えるのかとひやひやしています。
今回は時々ある中間箱のご要望についてお話したいと思います。
例えば上図のようなものを収める中箱を作るとします。
ポピュラーなのは横向きに収納するこのような形状ですが、
ときには取り出す際に小箱の正面デザインが目立つよう前後に並べて収めるようにとの注文をいただきます。
ワンタッチ箱で。
その場合、通常このように天面を右から数えて四面目の配置するのですが、
ごくまれにデザインの都合上一番右の面に天面を持ってきてとの注文をいただきます。
ワンタッチ箱で。
お客様のイメージとしてはこんな形でしょうか。
残念ながら設計上無理とお断りしています。
なぜ無理なのか順を追って説明します。
通常ワンタッチ箱は向かい合う面の底をセンターでかみ合わせることで支えています。
組立寸法から導き出される底の形状にはある程度の決まりがあります。
それを踏まえたうえでお客様の注文に沿った
”一番右の面に天面を配置したワンタッチ箱”を形にしようとすると……
こんなことになってしまいます。
正面巾より奥行のほうが長いためセンターのかみ合わせがおかしくなってしまいました。
それなら斜めの折罫を45度でなく変えてはどうかと問われたこともありますが、
45度以外で折ると畳めなくなりワンタッチ箱でやる意味がなくなります。
というわけでワンタッチ箱では正面と側面は同じか正面のほうが側面より広くないと成立しなくなります。
デザイン上どうしても正面巾より奥行を長くしたいのであれば天面を四面目に持ってくるしかないのです。
2022.10.24
箱の形状と強度との関係
皆様こんにちは!
いつも当ブログをご覧いただきまして
誠に有難うございます。
本日は少し趣を変えまして
日頃、私が箱を設計するうえで、避けて通れない
形状と強度との関係を簡単にお話できればと思っております。
店頭に参りますと、ずらり色々な形状が並んでいるところでは
ありますが、その中でも意外にパッと目に留まりやすいものは
特にシンプルで洗練された造りのものに尽きるかと思います。
(※シンプルとは・・・立方体箱に近い強度を保ちつつ、)
(※洗練とは・・・上記、強度を保たせる形状+あまり他にみることのない形状の両立と私の中では定義しております。)
このシンプル+洗練の定義、おそらく設計を生業としますところでは
相容れない相反する関係として認知されているところですが、
完全なものの実現はなしえないとする一方、日々そこに向けて研鑽すべきところ
が箱設計たる醍醐味であろうと感じております。
また皆様からお寄せいただく希望形状や、ご要望によっては私のこの
シンプル+洗練の定義が形を変えてフィットいたしますので
是非「こんな形状できるだろうか?」
について大光印刷までお気軽にお声がけいただけますと幸いです!!
設計部 I
2022.09.28
紙箱と紙目の関係性について
こんにちは設計のKです。
ようやくコロナも終息に向かいつつあるようですが早くマスクをはずして旅行を楽しみたいものです。
今回は紙箱と紙目の関係性についてお話したいと思います。
紙目とは紙繊維の流れの向きの事を言います。
紙は抄造して作る際、製造の流れていく方向に向かって繊維が揃う為、紙目が生じます。
紙目は水で濡らすと反りが発生して向きが分かるはずなので紙片で実験してみましょう。
矢印の向きに目が入っています。上の紙片はS字状に反り、
下のは逆カマボコ型に反りましたので紙目を可視化できた事が分かります。
見た目には見えないですが設計においても常に紙目を意識しています。
理由は強度UPと糊付けする製函時の不良低減です。
罫線に対する紙目で強度がどのように変わるかこれまた実験してみましょう。
簡単なスリーブを作って乾電池を載せて比べてみます。
<写真1>
<写真2>
主要な罫線に対して水平な紙目<写真1>ではもう少しでへしゃげそうな位たわんでいますね。
対して罫線直角紙目の<写真2>ではへしゃげつつも何とか持ちこたえそうです。
製函時でも糊代に対して直角に紙目が入っていないと罫線がシャッキッと折れず
平行に貼れなくなることが起こります。
段ボールの段目も同じで皆さんも折りたいラインで折れずに段目で折れてイライラした思いをされたことは
無いでしょうか?あれと同じことが板紙でも発生するのです。
もし紙箱の設計図を見られる機会があればどこかに紙目の指定が入っていると思いますよ。
ちなみにPPやPETの樹脂素材には紙目は存在しません。繊維の集合体でないからです。
それではまた。これからも素朴な実験で箱の「なぜ?」に迫りたいと思います。
2022.08.17
ケース付台紙!!
2019年3月からこのブログはスタートしましたが、今回はそれ以前からの取り組みに関して話したいと思います。
紙の台紙にクリアケースを両面テープ(糊)で貼り付けるという、今でもよくある形状についてです。
現在も取引のある得意先様から、この種の受注を多数頂いていたのですが、2000年代の前半にはクレームが多発していました。
それは手作業のために、貼り面間違い、貼り位置ずれ、テープ面へのホコリ・クズ・毛の付着といったものでした。
その解決手段として以下のように提案しました。
①両面テープ、糊等を用いない差込み固定方法とする。
②確実な位置合わせのために、台紙にスリットを設け、クリアケース側にもそれに対応した差込み突起がある形状とし、両者をいつも同じ位置に固定するものとする。
③クリアケース自体は製函を行わず、打ち抜き状態のままで差込み時に組立て、使用する。
幸運にも採用となりました。
並行して汎用性のある方法と判断し、特許庁へ申請し、実用新案登録第3135543号として認められました。2007年8月の事です。
この時の考案の名称が「ケース付台紙」です。
以降、現在に至るまで多種多様に応用して進行中であります。
一方で、クリアケースに限定するとしても、ワンパーツでケース付台紙形状を再現する方法も増え、製函の有無も含めると本当に数多く存在しています。
私が担当した中で、製函有りのワンパーツで結構複雑だったのは、以下のような仕上がりです。もう6年くらい前になります。
そしてもう一つ、思い出のケース付台紙を紹介しておきます。
担当者が相当に凝った方で、何回もやり直しましたが、2パーツで、木型テストを経て試作品を完成させました。
何が思い出なのかと言うと、ここまで来てこの会社が無くなってしまったからです。当然中止で、唖然としました。これは10年くらい前になります。
もし発売するとしても、組立て作業は複雑で面倒な物件だったでしょう。
しかし現在、弊社ではアッセンブリ部門を用意しておりまして、様々な組立て・梱包に対応しておりますので、ぜひとも相談して頂きたいと思います。
この弊社アピールを持ちまして、今回のブログは終了します。
ありがとうございました。
設計担当N
2022.07.20
紙の天敵
こんにちは、紙箱設計担当Mです。
今年は梅雨入りしたものの晴れの日が続き記録的な速さで梅雨明けしたかと思えば
梅雨よりも長雨が続いて「梅雨ってなんだろう」という日々で参っています。
特に私の担当の紙箱は湿気の影響を受けやすく、用紙の反りや伸縮にこの時期は悩まされています。
用紙が反ったり波打ったりしてるとダミーカット時に固定しにくく作業しづらいです。
さらに大変なのが大箱等の簡易校正のカットで、
表面加工等の工程によっては校正刷りから手元に届くまで時間がかかり
サイズによっては全体で1ミリ以上伸縮していることも。
よく「そこまでシビアに合わせなくてもいいよ」と言ってもらえますが
作業する側としては面ごとのデザインがずれ込むと非常に気になります。
各面のフチに2ミリの色ベタなどあろうものならわずかなズレでも伸縮と合わさってフチ自体がなくなったり…
カット自体は機械任せですが前段階の用紙のセットは一枚ずつ手作業なので
きわどいところでカットされていても生あたたかい目で見ていただけるとさいわいです。
ちなみに冒頭の「梅雨ってなんだろう」という疑問ですが、
語源としては中国のカビ(黴)をもたらす雨の「黴雨(バイウ)」という表現が
日本に伝わった際にカビの雨ではイメージが悪いということで
同じ時期に実の収穫がおこなわれる「梅」の字が当てられたとか。
(「バイウ」から「つゆ」に読みが変わったのについては諸説あります)
2022.06.24
『Oh! Kadodashi !! So Wonderful !!!』
皆様こんにちは!
いつも当ブログをご覧いただき誠に有難うございます!
設計Iです!
本日は、私が密かに営業との打ち合わせ中
流行らせようと画策している構造の呼び名であります
「角出し」についてご紹介させていただきます!
まず初めにですが私が勝手に呼称を始めたものですので
もっと他に正式な呼び名があるかもしれないところですがww
どうぞ呼び名についてはサラッと流していただけますと嬉しいです!
早速ですが、角出しの例です。
ジャン!!
最近、実績紹介が続いておりましたので
今回はブログ用に仮にペットボトルを固定するとしたらということで
作成してみました!!
普段この仕様は、箱に入る内容商品を固定したり回転留めする仕切としての用途が
多いもので今回は水入りペットボトルを固定するものの
なかなかに普段の作業からは離れたサイズ感のものでありましたが、
同時に構造強度の資料としてご参考いただけるかと思います!!
一口に角出しといいましても
今回ご紹介する中でおおよそ5種類に分類できそうでしたので
そちらを順に見て参りましょう!!
①スタンダードW型
こちらは最初に見ていただきました最もスタンダードな形です。
利点としては組みやすく立ち上げやすい、難点としては組み後の奥行が商品以上に出てしまうところでしょうか。
②両肩凸型
こちらも、①に次いで良く見られる形かと思います。
利点は組みしやすく①よりも商品ジャストサイズの奥行に抑えられるところ、
難点は①に比べホールド面が広くなるために①よりも若干固定が甘くなるところでしょうか。
③片肩凸型(左)
④片肩凸型(右)
③、④まとめてのご紹介ですが、
片方に寄せたタイプですね。好みになりますが、箱や窓貼り等処理によって
アシンメトリーに仕上げる必要性が増す場合などに用います!!
⑤応用扇面型(PP)
こちらについては、ちょっとさすがに
強度に無理がありましたが、水入りペットボトルと言わず、サイズ規模の限られたもの
であれば、曲面での固定が得られる角出し(もはや角出ていませんがww)が可能です!!
構造の説明は以上となりますが、
折角、面判別用に【太陽】と【月】のモチーフを作成しましたので
数少ない私のうんちくレパートリーの中から皆様と非常にゆかりが深いもの
『呼吸』について少しお話しさせていただきます!
皆様、人には各個人それぞれ得手不得手がありますように
呼吸タイプも人間である以上、必ず2タイプに分けられることをご存じでしょうか?
ヨーロッパの音楽教育機関などで研究された分野で呼吸学なるもののようですが
その説が、生年月日の太陽と月の引力の関係で呼吸タイプが決まると提唱して
いるので、そのものずばりですが、
『太陽タイプ』『月タイプ』と呼ぶようです。
簡単に申し上げると、
『太陽タイプ』・・・呼吸のうち(呼気)吐く方が得意なタイプ→常に肺に一定以上の空気があるタイプです。急な発声でも可能です。
『月タイプ』・・・呼吸のうち(吸気)吸う方が得意なタイプ→常時、肺に空気がないためゆっくり多くの空気を取り込めます。
こちらに対応した判別用生年月日表がどこかに存在するようですが、簡単に自分の呼吸タイプを知る方法としては
重いものを持つとき「吐いてから」か「吸ってから」かで一般的には分かると言われています。
いざ集中を求められる場面では、自分がどちらが得意なのかを知っていることで深呼吸時落ち着けることが
あったりもしますので、是非参考にしてみてください!!
人によっては、吐く方、吸う方、どちらかを強く意識する方が
集中力やリズムが整うことも確かにありそうです。
やや唐突ですが設計に話を戻しますとww
是非、案や呼吸が整う前であっても私ども大光印刷にご依頼くださいませ!!
呼吸タイプを知らない状態であっても、呼吸が整ってしまうような
ご提案をさせていただきます!!
2022.05.26
仕切り一体箱ってなぁに?
こんにちは設計のKです。
今朝のニュースで「日本、初の観光ランク世界首位 インフラや文化高評価」と出ていました。
早くにぎやかな日本に戻って欲しいものです。
今回は久方ぶりに「なぁに」シリーズ続編として「仕切り一体箱」を取り上げます。
箱の設計をしているとお得意先様からの仕様書に「中仕切り一体」と記載されて入稿することがあります。
長年設計作業に従事していても一瞬ギクッとしてしまいます。
というのも機械貼り前提の多少入り組んだ構造なので貼り可能か確認が必要になるからです。
仕切り一体箱といっても内容物により数タイプ存在します。
<一番簡単な空間を2つに仕切るタイプ>
糊代を延ばして「Z」状に仕切りを設ける。筒状の同サイズのものが2つ入る
<2つに分け尚且つ同径の立寸違いを頭ぞろえで入れるタイプ>
2つに仕切るタイプの発展型で底側の仕切りをずらして設置することで短い方が落ちるのを防ぎます。
紙1枚で支えるので重たいものや細すぎる内容物には不向きです。
<同じサイズの筒状のものをいくつか整列させるタイプ>
均等割りできるので挿入作業が楽になりますが内容物全体を覆う緩衝機能はあまり期待できません。
製函はやや難易度が高い特殊な貼り機を用います。
仕切り一体箱は糊代を延長させて部屋を作るパターンと糊代以外の裏正面を上部に延長させて折り返すパターンの
大きく2つに分かれます。
いずれにしても糊貼り箇所が増えて正確に打たないといけないので仕切るサイズにどうしても制約が出てしまいます。
それでも別体仕切りは数量管理等面倒なので最近かなり増えてきています。
皆様も是非弊社営業マンに「こんなのできる?」とお声がけお願い致します。