投稿日 : 2020.03.30
クリアケースへの 銀インキ の印刷
こんにちは。
今回はあるお客様からの要望で、クリアケースにオフセット印刷方式にて 銀インキ を印刷してみましたので紹介します。
今まではバック箔にて輝度をだしていました。
今回はコスト削減目的でオフセット印刷でどこまでバック箔が代替できるかチャレンジしてみました。
そちらの成果をご報告します。
一般にオフセット印刷で金や銀を刷ると、ただの黄土色やグレー色になってしまってあまり美しい仕上がりにはなりません。
オフセット印刷は、スクリーン印刷やフレキソ印刷にくらべて膜厚が薄いのでどうしても限界があります。
ちなみに各印刷方式の膜厚ですが、オフセット印刷は1μ、フレキソ印刷は5μ程度、スクリーン印刷は10-300μ程度だそうです。
金銀インキは、インキに金属粉をまぜることでキラキラ感をだしています。
オフセットは膜厚が薄いので金属粉も少なく、小さくて、キラキラ感がだしにくいということになります。
ただ最近はインキがよくなっており、オフセット印刷といえども、昔よりはゴールド感、シルバー感がでるようになりました。
LR輝などが有名ですね。
当社でも過去に高輝度の金インキや銀インキを使ってテストしたサンプルを持っております。
ただ単に金を刷るだけでは輝度がでなくて、下地にいくつか色を印刷してよりキラキラ感をだしていきます。
金インキのメーカーを変えたり、下地の色を変えたりしたパターンサンプルをもっています。
ご覧になりたい方は担当営業までお申しつけください。
こんな感じのサンプルです。
あまり期待値が高くなってしまうと困りますが、昔のイメージをお持ちの方でしたら十分驚くキラキラ感だと思います。
さて、今までの話は紙への印刷でした。
今回は対象が紙でなくてクリアケースになります。
そのためより輝度をだすのは難しくなります。
今回は3種類のインキでテストしてみました。
このような感じの絵柄でのテストです。
アンカーのありなしや、白抑えを1回にするか2回にするかなどでパターン分けしたら、テスト結果が山のようにでてきました。
結果をみなで評価してみました。
表にまとめるとこのような評価になりました。5が良い、1が悪い です。
インキ名 | 表から見た輝度 | 印刷適正 | インキ密着度 |
---|---|---|---|
A社 | アンカーなし5 アンカーあり4 |
3 | アンカーなし1 アンカーあり2 |
B社 | アンカーなし5 アンカーあり4 |
3 | アンカーなし2 アンカーあり4 |
C社 | アンカーなし5 アンカーあり4 |
4 | アンカーなし1 アンカーあり3 |
インキ名 | 画線部のツブレ具合 | グラデーション | スクラッチ耐性 |
---|---|---|---|
A社 | 3 | 3 | 2 |
B社 | 3 | 3 | 3 |
C社 | 2 | 3 | 2 |
以上から総合的に判断してB社のシルバーインキが良いということになりました。
印刷して箱にしてみた結果、それなりにシルバー感がでていて、コストのわりにはきれいなクリアケースにしあがりました!
お客様にも満足いただけたと思います。
このようにクリアケースに対してでもオフセット印刷でそれなりにシルバー感はだせました。
実物ご覧になりたい方はぜひ担当営業までお申し付けください。
クリアケース, 印刷技術