PVC(ポリ塩化ビニル) は60%が塩でできている環境に優しい素材!?
継続して環境配慮素材に関するお問い合わせは減ることなくいただいています。
最近ではバイオマスPP、バイオマスPETのお問い合わせを多く頂いておりますが
まだ受注生産対応となっており大きめのロットでないと厳しいのが現状です。
そこで今回はバイオマスPP、バイオマスPETの代わりに
PVC(ポリ塩化ビニル)のご提案となります。
◆PVC(ポリ塩化ビニル)って?◆
石油40%塩60%の割合で作られており、
石油由来100%のプラスチック類よりも環境に優しい素材です。
身近なところでいうと、カード類、ソファー、車のシート、長靴、電線、
薬品の包装材、血液・輸血パック、医療用チューブetc…と多岐に渡り使われています。
PVC(ポリ塩化ビニル、塩ビ)の年間生産量は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)に次いで
170万トン(2017年、塩ビ工業・環境協会参照)にもなります。
◆PVC(ポリ塩化ビニル)の環境配慮の利点◆
・石油40% 塩60%の割合でできているフィルムシート
石油由来100%のプラスチック類よりも限りある石油資源の節約に貢献します。
・二酸化炭素の排出量が少ない
他のプラスチックよりも製造時のエネルギー消費量・二酸化炭素排出量が少ない。
また焼却時も他のプラスチック類に比べて二酸化炭素の発生量が少ないのも特徴です。
◆PVC(ポリ塩化ビニル)の特徴◆
・耐寒性が高く、冬場に割れづらい
・PETよりも柔らかく擦りキズが入りづらい
・透明性・ガスバリア性に優れている。
(PVCは薬品カプセルのPTPシートや食品用フィルムラップでも使用されています。)
◆PVC(ポリ塩化ビニル)で試作しました◆
弊社が使用しているPVC(ポリ塩化ビニル)は
少し青味がかった関西色と透明の関東色があります。
サンプルでは分かりづらいですが、
青味がかった関西色のPVC(ポリ塩化ビニル)の方が印刷の色味は少し濃く感じます。
紙でいうと黄味系の紙と青味系の紙の違いのようなイメージです。
(※あくまでも個人的な意見ですので一度サンプルご覧ください。)
試作では印刷・加工適正も問題ないとのことでした。
◆その他PVCに関しての情報◆
・植物由来のフタル酸エステルの可塑剤を使用
可塑剤の化合物(フタル酸系)に関して
当社が使用するPVC(ポリ塩化ビニル)は植物由来の可塑剤(ノンフタル酸系)を使用しています。
ヨーロッパのRoHS指令にて規制・禁止されているフタル酸系は使用しておらず該当しません。
食品関係でも使用されているPVC(ポリ塩化ビニル)なので安心してご利用いただけます。
・1990年代に社会現象にもなったダイオキシン問題は?
ダイオキシンは、焼却物より焼却方法に起因することが判明しており、
どのようなゴミでもダイオキシンが発生する可能性はあります。
そのため国が行った施策でゴミの焼却施設と焼却条件の改善が行われました。
現在は800℃以上の燃焼温度で焼却が行われ、ダイオキシンはほとんど発生しなくなりました。
・焼却施設・条件の改善でダイオキシン類を約99%削減
焼却施設と焼却条件の改善の結果、H29年度にはH9年度比でダイオキシン類排出量は約99%削減されました。
出典:環境省ホームページ
ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)について
http://www.env.go.jp/press/106594.html
塩ビ工業・環境協会 ダイオキシンの誤解
参考URL:https://www.vec.gr.jp/kankyo/kankyo2_1.html
・PVC(ポリ塩化ビニル)は化学物質排出把握管理促進法 PRTR制度の対象外
単量体である塩化ビニルモノマー(クロロエチレン)は、PRTR制度の対象ですが
重合体であるポリマー(PVC)はPRTR制度の対象外となります。
「塩化ビニル(CAS番号75-01-4)→PRTR制度対象」
「ポリ塩化ビニル(CAS番号9002-86-2)→当社が使用するPVC」
※CAS番号とは化学物質を特定するための番号です。
PRTR制度:事業者が対象化学物質を排出・移動した際にはその量を把握し国に届け出る制度
経済産業省 化学物質排出把握管理促進法
参考URL:https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/index.html
以上、PVC(ポリ塩化ビニル)の説明でした。
これを機に100%石油由来のプラスチック素材から
60%塩で構成されているPVC(ポリ塩化ビニル)を試されてみてはいかがでしょうか。
サンプルありますので担当営業または
お問い合せフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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