少しでも分解が促進されるよう、コンポスト風をめざす。
野菜がよろこぶほどの土、頼もしい。私たちもうっかりよろこぶ。
このように埋めた。写真の記録はないが、埋めた後に水を与えている。
ほんのり臭うのでシャワーキャップをかぶせる。
見晴らしがよく、毎日ひなたぼっこできて羨ましい。
もしやこれ、理想のバカンスでは。
掘り返してみたら…えっ…
約10日間でもうこんなにしなしなに。破れも確認。
しかしまだ強度があり、原型も留めていられそうだったので再び土に戻す。
10日強経過し、さらに強度を喪失。わずかに触れるだけで破れそうに。
もうしばらく実験を継続したいが、次に取り出すときには完全に細片化してしまうかもしれない。
展示が危ぶまれたため、ここで実験を中断することに。
土中では問題なく分解されることがわかった。
「大森ふるさとの浜辺公園」にて天然海水採取。
寒さが残る三月、しかも平日の朝とあって、人の姿がない。
しかし入手した海水には目視確認不可能な極小微生物が無数にいる。
なんだか笑える。
採取した海水にラベルを沈める。
初日とあって、固さがありピンと張っている。全くもって元気なラベルである。
瓶の内側に張り付いて、絵柄をしっかり見せてくれる。全くもって出たがりなラベルである。
白い繊維状の物体が発生。瓶を揺らすと液中を浮遊する。
正体は不明ながら、短期で生じたことからラベルの粘着剤と推測
(結果から考えると、粘着剤ではない可能性も高い)。
部分的な印刷絵柄(インキ)の剥落を確認。「やさしい」の「さ」の下あたり。
写真ではわかりづらいが、ラベルの端が軟化。
揺らすと海藻のように波打つ。気持ちが良さそうだ。
ちょっと強めに振ると、へたれてしまった。悪いことをした。突然の罪悪感。
写真ではわかりづらいが、白色の微細な塵状異物は、増加しているように見受けられる。
だめだ、立ち上がらない。本当にごめん。
とはいえ強度が劣化しているのは間違いがなさそうだ。
目を凝らすと、印刷(インキ)の剥落箇所も大幅に増加している。
白色の塵状物質も、さらに増えたように感じる。
罪悪感と共に敬意を表しつつ救出。
汚いものを触るような持ち方に見えるかもしれないが、決してそうではない。
裏面には糸状の物体が付着している。
最初は生分解されたラベル基材の一部かと期待したが、どうやら粘着剤のよう。
おかあさん、おとうさん、こんなに小さくなりました。
海水中でも、土中ほどの速さではないものの、問題なく分解されることがわかった。
瓶を使用した同一液体中での分解実験だったが、実際の海のような、滞留せず常に循環される海水中での環境ならば、分解はさらに促進されたものと推測できる。
瓶内に生じた白色の塵状物体は、恐らくセルロース。海水中の微生物が存命ならば、食べてくれる…はず…。